傷物語を読み返しました。
今更ながら感想とか気付いたこととかをちょっと書こうと思います。
今更なんでもういいとは思いますが一応以下ネタバレ注意です。
それでも僕は、やっぱりあの吸血鬼のことを、語らなければならないのだろう。
彼女から受けた傷の物語を。
僕が彼女を傷つけた物語を。
(p.12)
これはタイトルになっている「傷物語」がどういう意味なのかを端的に表した文ですね。
傷っていうのはやっぱり物理的な意味でも精神的な意味でもあると思います。
具体的には、牙の痕だったり、眷属にしてしまったことだったり、殺し合いをしたことだったり、吸血鬼の搾りかすにしてしまったことだったり、そうまでして生かしてしまったことだったり・・・。その他いろいろあると思います。傷つけあった物語。
友達を作ると人間強度が下がるから。
(p.13)
これは、ドラマCDで八九寺に大笑いされてたネタですね。
しかし物語的には羽川という友達を作ったことにより、阿良々木君は強くなりました。
何の前触れもなく――一陣の風が吹いたのだ。
(中略)
それほどに衝撃的だった。
優等生の下着というのは。
(p16-19)
およそ4ページに渡って風によってスカートがめくれ羽川翼さんの下着が晒されてしまったことについて描写されています。と同時に羽川翼さんと阿良々木暦君の出会いのシーンです。
ここはアニメ「化物語」の第1話アバンでのシーンですね。
アニメだけ見た人は、1話冒頭で何故いきなり女の子のパンツが見えるシーンから入ったのか意味がわからなかったと思いますが、二人が初めて出会ったシーンだったわけですね。
「儂も神にならんかと誘われたことがあったが、そのときは断ったからのう」
(p.71)
ジョークのようなこの台詞も「鬼物語」で実際に語られることになりました。
傷物語書いてるときから考えてあった設定なのかな?
「・・・・・・はっはー」
と。
そんなお気楽な笑い声が聞こえた。
(中略)
ドラマツルギーの波打つ大剣を二本、右手の人差し指と中指、薬指と小指で、それぞれ白刃取りにし。
エピソードの巨大な十字架を、右足の裏で何ということもなさそうに受け止めて。
ギロチンカッターの俊敏な動きを、左手を突き出すことで、触れることなく制したのは――誰であろう。
通りすがりのおっさんだった。
一本足で立ったまま、彼は続けた。
「――何かいいことでもあったのかい?」
(p.85-86)
忍野メメの初登場シーン!かっこいい!
これもアニメ「化物語」のアバンで使われたシーンです。
そして忍野初のキメ台詞!
傷物語は忍野メメが一番かっこいいお話でもあると思います。何と言ってもラスボス(予定)でしたし。
「長命の吸血鬼のスパンで見れば、そうなんだろうけどねえ――僕ら人間としては困ったもんだよ。ねえ、阿良々木くん?」
「え」
うわ。
こいつ――事情を把握した上で。
当たり前のように――僕を人間扱いしやがった。
こちら側だと――そう言った。
(p.96)
この吸血鬼の状態の阿良々木くんを人間扱いした忍野メメ。
この言葉は「偽物語」の月火フェニックス、影縫さんとのバトルの決着にまで影響しました。
( 「言ったでしょ。お互い、人間と怪異のコンビだって――この状態の僕を人間と呼んだのは、今まで忍野一人だけなんです」
(偽物語p.316))
「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
(p.111)
きました羽川さんのキメ台詞。阿良々木くんとのただの雑談中が初登場となりましたー。
「いや、そりゃ私も本気で探していたわけじゃないよ。ないものねだりって奴なのかな。なんていうのかな、私もなんだか行き詰っててさ――生活に変化を望んだって感じ?」
(p.158)
羽川さんの台詞。
この羽川さんの言う「行き詰まり」が後にブラック羽川を生み出したりするようなことになるとは阿良々木くんも思っていなかったようです。ただ優等生でも行き詰るんだなー驚きだなーくらいにしか受け止めていません。まぁ仕方ないか。
暦「待っててくれ」
翼「・・・・・・」
暦「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」
(中略)
暦「またお前とおしゃべりできることを、僕は心から楽しみにしている」
翼「・・・・・・おおっと」
羽川は、そこでどうしてか、一歩後ろに下がった。
目がなんだか楽しそうだった。
翼「ピピピ、ピピピ、ピピピ」
暦「ん?何の音だ?」
翼「ときめいた音」
(p.209-210)
恋に落ちる音がした~♪めーると♪
もう完全に羽川さんヒロインですー!
大切な恩人とか言ってる場合じゃないよ、阿良々木くん!!
羽川さんと付き合ってー!!
まあ付き合うことにならなかったから、「化物語」つばさキャットや「猫物語(白)」へのストーリーへと繋がることになるんですが。こっちがもどかしくなってしまううう。ああああああ。
「・・・・・・チキン」
羽川がものすごく低い声で言った。
こちらを振り向きもしないまま。
僕の限りなく土下座に近い姿勢を見ようともせず。
「チキン。チキン。チキンチキンチキンチキン」
(p.306)
これは阿良々木くんが羽川さんの胸を揉もうとしたけど揉めなかったときの台詞。
これはチキンって言われてもしょうがないなぁ。まったくもってチキン。
ここまでやったのにヒロイン奪われちゃうの不憫すぎるよ羽川さん・・・。
そしてこの後キスショットとのラストバトルの結果、バッドエンドを迎えます。
何かこの書き方だと緊張感に欠けますが。
全体としては、他の物語シリーズよろしく冗談もあり、ストーリーもしっかり楽しめるとっても充実した一冊になっていると思います。
羽川、忍野との出会い。そしてキスショット、後の忍との傷付けあった結果紡がれた絆。
「青春は、いたみ なしでは過ごせない。」というキャッチコピーどおり、色々な青春の"痛み"が詰まっていると思います。
映画化されるとのことですが脳みそいじくったり、はらわた抉ったり、人間を食べたりと映像にするとグロテスクなシーン多目な本作です。大丈夫なのかな?
ともあれ、素晴らしい作品になることを祈りつつどうなるのか楽しみに待っていたいと思います。
映画「傷物語」公式ページ↓
http://www.kizumonogatari-movie.com/
今更ながら感想とか気付いたこととかをちょっと書こうと思います。
今更なんでもういいとは思いますが一応以下ネタバレ注意です。
それでも僕は、やっぱりあの吸血鬼のことを、語らなければならないのだろう。
彼女から受けた傷の物語を。
僕が彼女を傷つけた物語を。
(p.12)
これはタイトルになっている「傷物語」がどういう意味なのかを端的に表した文ですね。
傷っていうのはやっぱり物理的な意味でも精神的な意味でもあると思います。
具体的には、牙の痕だったり、眷属にしてしまったことだったり、殺し合いをしたことだったり、吸血鬼の搾りかすにしてしまったことだったり、そうまでして生かしてしまったことだったり・・・。その他いろいろあると思います。傷つけあった物語。
友達を作ると人間強度が下がるから。
(p.13)
これは、ドラマCDで八九寺に大笑いされてたネタですね。
しかし物語的には羽川という友達を作ったことにより、阿良々木君は強くなりました。
何の前触れもなく――一陣の風が吹いたのだ。
(中略)
それほどに衝撃的だった。
優等生の下着というのは。
(p16-19)
およそ4ページに渡って風によってスカートがめくれ羽川翼さんの下着が晒されてしまったことについて描写されています。と同時に羽川翼さんと阿良々木暦君の出会いのシーンです。
ここはアニメ「化物語」の第1話アバンでのシーンですね。
アニメだけ見た人は、1話冒頭で何故いきなり女の子のパンツが見えるシーンから入ったのか意味がわからなかったと思いますが、二人が初めて出会ったシーンだったわけですね。
「儂も神にならんかと誘われたことがあったが、そのときは断ったからのう」
(p.71)
ジョークのようなこの台詞も「鬼物語」で実際に語られることになりました。
傷物語書いてるときから考えてあった設定なのかな?
「・・・・・・はっはー」
と。
そんなお気楽な笑い声が聞こえた。
(中略)
ドラマツルギーの波打つ大剣を二本、右手の人差し指と中指、薬指と小指で、それぞれ白刃取りにし。
エピソードの巨大な十字架を、右足の裏で何ということもなさそうに受け止めて。
ギロチンカッターの俊敏な動きを、左手を突き出すことで、触れることなく制したのは――誰であろう。
通りすがりのおっさんだった。
一本足で立ったまま、彼は続けた。
「――何かいいことでもあったのかい?」
(p.85-86)
忍野メメの初登場シーン!かっこいい!
これもアニメ「化物語」のアバンで使われたシーンです。
そして忍野初のキメ台詞!
傷物語は忍野メメが一番かっこいいお話でもあると思います。何と言ってもラスボス(予定)でしたし。
「長命の吸血鬼のスパンで見れば、そうなんだろうけどねえ――僕ら人間としては困ったもんだよ。ねえ、阿良々木くん?」
「え」
うわ。
こいつ――事情を把握した上で。
当たり前のように――僕を人間扱いしやがった。
こちら側だと――そう言った。
(p.96)
この吸血鬼の状態の阿良々木くんを人間扱いした忍野メメ。
この言葉は「偽物語」の月火フェニックス、影縫さんとのバトルの決着にまで影響しました。
( 「言ったでしょ。お互い、人間と怪異のコンビだって――この状態の僕を人間と呼んだのは、今まで忍野一人だけなんです」
(偽物語p.316))
「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
(p.111)
きました羽川さんのキメ台詞。阿良々木くんとのただの雑談中が初登場となりましたー。
「いや、そりゃ私も本気で探していたわけじゃないよ。ないものねだりって奴なのかな。なんていうのかな、私もなんだか行き詰っててさ――生活に変化を望んだって感じ?」
(p.158)
羽川さんの台詞。
この羽川さんの言う「行き詰まり」が後にブラック羽川を生み出したりするようなことになるとは阿良々木くんも思っていなかったようです。ただ優等生でも行き詰るんだなー驚きだなーくらいにしか受け止めていません。まぁ仕方ないか。
暦「待っててくれ」
翼「・・・・・・」
暦「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」
(中略)
暦「またお前とおしゃべりできることを、僕は心から楽しみにしている」
翼「・・・・・・おおっと」
羽川は、そこでどうしてか、一歩後ろに下がった。
目がなんだか楽しそうだった。
翼「ピピピ、ピピピ、ピピピ」
暦「ん?何の音だ?」
翼「ときめいた音」
(p.209-210)
恋に落ちる音がした~♪めーると♪
もう完全に羽川さんヒロインですー!
大切な恩人とか言ってる場合じゃないよ、阿良々木くん!!
羽川さんと付き合ってー!!
まあ付き合うことにならなかったから、「化物語」つばさキャットや「猫物語(白)」へのストーリーへと繋がることになるんですが。こっちがもどかしくなってしまううう。ああああああ。
「・・・・・・チキン」
羽川がものすごく低い声で言った。
こちらを振り向きもしないまま。
僕の限りなく土下座に近い姿勢を見ようともせず。
「チキン。チキン。チキンチキンチキンチキン」
(p.306)
これは阿良々木くんが羽川さんの胸を揉もうとしたけど揉めなかったときの台詞。
これはチキンって言われてもしょうがないなぁ。まったくもってチキン。
ここまでやったのにヒロイン奪われちゃうの不憫すぎるよ羽川さん・・・。
そしてこの後キスショットとのラストバトルの結果、バッドエンドを迎えます。
何かこの書き方だと緊張感に欠けますが。
全体としては、他の物語シリーズよろしく冗談もあり、ストーリーもしっかり楽しめるとっても充実した一冊になっていると思います。
羽川、忍野との出会い。そしてキスショット、後の忍との傷付けあった結果紡がれた絆。
「青春は、いたみ なしでは過ごせない。」というキャッチコピーどおり、色々な青春の"痛み"が詰まっていると思います。
映画化されるとのことですが脳みそいじくったり、はらわた抉ったり、人間を食べたりと映像にするとグロテスクなシーン多目な本作です。大丈夫なのかな?
ともあれ、素晴らしい作品になることを祈りつつどうなるのか楽しみに待っていたいと思います。
映画「傷物語」公式ページ↓
http://www.kizumonogatari-movie.com/
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