リセット

2013年6月16日 読書
再読。


遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。
「また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。
Amazonより



『リセット』では時が優しいんです。
p.434宮部みゆき・北村薫対談より

そう。『スキップ』『ターン』では時間の過酷さが際立っていました。今回は時間が優しく愛おしい。

簡単に言ってしまえば恋愛小説にファンタジー的要素をプラスしたような感じ。ロマンチックすぎてファンタジーの領域にまで入ってる。
でも恋愛も、今よくあるような大好きーーーぶちゅううううみたいなものではなく、奥ゆかしく、慎ましやかな恋愛。

戦争の時代に、男と女が並んで歩くこともできないような時代に、たった一言の言葉に惹かれ、恋心を秘め、少なくとも交し合った確かな言葉と通じ合えた心、密かなプレゼント・・・。
お互いがお互いを想っていた故に、悲しいことが起こっても、その想いは時を超え、終には結ばれる。

戦争の頃の設定も興味深く、特にその頃のお嬢様と呼ばれるような富裕層のお話はあまり聞いたことがなかったので面白かったです。その時代の人の想いや考え方、暮らしなど、もっと知りたくなりました。




東の野にかぎろひの立つ見えて
 かへりみすれば月西渡ぬ
(p.81)

柿本人麻呂の有名な歌です。本編の重要なところではありませんが、ちょっと感動してしまいました。私たちも学校で一番最初に習うような歌を、この頃の人も学んでいる。こんなところでも時間の不思議を感じてしまいます。また、私たちはこの歌を、シンプルだけどよく考えられたとてもきれいな歌、くらいに考えますが、この頃の人はこの歌に、人の死を超えて動く大いなる時を見ていたとのことで、時代で感じ方がこんなにも違うのかと思わされます。
それにしても和歌って美しいです。ちゃんと勉強してみたい。


別の歌。
ドイツの映画『会議は踊る』よりリリアン・ハーヴェイの『唯一度だけ』。

わたしは泣いたり 笑ったり
どうしていいか 分からない

御伽噺じゃ なかったわ
ほんとにほんとの ことだった

ただ一度 ただ一度
二度とない この奇跡
明日は消える つかの間の
たった一度の夢の時

空が青さを なくしたら
とこしえの この愛を
信じつつ さあ
お別れの手を 振りましょう

分かっています 人生が
与えてくれるのは ただ一度
だって春に だって春に
五月は一度しか来ないでしょう
pp.342-343

参考までに
歌(Youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=e2rK-Y5fF7U
原曲歌詞
http://ingeb.org/Lieder/weinichl.html

デン・イェーダー・フリューリング
 ハット・ヌーァ・アイネン・マイ
(p.172他)

この歌も、色々な意味を考えてしまいます。戦争の最中には悲しい歌に聞こえるかもしれません。でも二人にとっては二人を結びつけた歌。春に五月は一度しかなくても、春は毎年やってくる。時は巡る。


もう一つ二人を繋いだ歌。


かの時に言いそびれたる大切の
 言葉は今も胸にのこれど
(p.318他)

今度は石川啄木の歌。意味は分かりやすい。小学生の頃の修一さんがまあちゃんに送った歌だけど、ほとんど告白(歌の意味じゃなくて歌留多の絵が似てる似てないで選んだのだけど)。言えなかった言葉、誰にもたくさんあると思います。この戦争をしてたような時代には特にそうでしょう。転生は胸にのこった言葉を言うためでもあったと思います。この本で知った歌ですが分かりやすく覚えやすいのですぐ好きになりました。大切にしたい歌です。


そして何より何より、しし座流星群。


星です。わたしの最初の記憶は、流れる星なのです。
(p.7)

から始まり、


そして時は流れ、星はまためぐり続ける。
(p.424)

で終わるこの小説です。33年に一度訪れるという星の雨。二人のスタート地点であり、ゴールでもあり、巡り会わせてくれた不思議な力も星の力なんでしょうか。
私も見ました。2001年のしし座流星群。家族と一緒に。時間と星と人。
皆様にも素敵な巡り会わせが訪れますように・・・。

ターン

2013年6月1日 読書
再読。
前回に続き、人と時間の三部作の2作目になります。


真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
(Amazonより)


世界が自分ひとりだけになってしまったら・・・

誰もが一度は妄想する(?)ような世界で、更にその中で時間の繰り返し"くるりん"が発生します。初めはそんな妄想の世界に迷い込んだようで冒険心をくすぐられどきどきします。

文章は2人称で語られ珍しい感じを受けます。
「君は・・・した」
のように語られるんですが、更に真希はその2人称の語りと会話をするのです!
何とも不思議な感覚になります。

内容では時間の大切さを教えてくれます。
一生懸命やるから私たちには流れる時間が与えられていると。

天河石。
天の河の石。
とても素敵な石ですね。

自分の内にある声。
忘れがちだけど、きちんと耳を傾けてあげなくちゃ。

3作の中で一番お手軽に楽しいのはこの作品だと思います。
2013年5月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1890ページ
ナイス数:50ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■スキップ (新潮文庫)
自分の先生も授業の初めや途中によく、色々な雑談をしてくれる先生でした。でも今思い出そうとしても思い出せません。どんなことを話してくれたんだろう?面白いお話もいっぱいあった気がするんだけど、思い出せないのはもったいないなぁ。 25年時間が飛んでしまうようなことはないかもしれませんが、それでもこれから先まだまだ大変なこともあるはず。そのときは真理子さんみたいに生きたいな。 重い足取りの一歩もスキップの一歩も同じ一歩。どうせ前に進むなら楽しい一歩がいいですもんね。
読了日:5月20日 著者:北村 薫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28895169

■すべての雲は銀の・・・ Silver Lining〈下〉(講談社文庫)
見ようによっては祐介くんは女々しいだけに見えるし、ここにただあらすじを書いても多分ちっとも魅力的な小説には見えないと思います。 ここにあるのは人の人のための想いだから。色んな人が色んな考えを持っていてそれがどこまでいっても全部が優しさ。優しさばかりで泣きたくなるくらい。最近なんだか疲れたなぁって感じてる人には安らぎを与えてくれるんじゃないでしょうか。心の保養に。 "Every cloud has a silver lining."は詩として心にとどめて置きたいです。
読了日:5月12日 著者:村山 由佳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28666506

■すべての雲は銀の・・・ Silver Lining〈上〉(講談社文庫)
ただ優しいだけじゃなく、ただ厳しいだけでもなく、そこで出会う人にも色々背負っているものや悩みがあり、その中にだんだんと包まれ解けていく・・・。お年寄りが使う方言も、ちょっと年上の人が見せる気さくさも、年の近い子と仲良くお話するのも、小さな子の大きな想いも、何もかもが素敵です。 この本を読んでいる間は自分の時間までゆっくりと流れ、幸せな気分になります。 こんな素敵なところで素敵な人に囲まれて働けたらいいなー。 まだ下巻がありますが、そこでも素敵な想いが溢れているといいな。
読了日:5月6日 著者:村山 由佳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28492476

■ブルーもしくはブルー (角川文庫)
もし私がもう一人いてもとても生活を取り替えてくれとは言えないなぁ。 というか多分話しかけることすらできないので物語が始まりすらしないでしょうね(笑) だって生活云々の前に怖すぎる・・・。
読了日:5月6日 著者:山本 文緒
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28489118

■ドミノ (角川文庫)
ドミノそのものはお話に関係ないのですが、まさに「ドミノ」というタイトルがふさわしい作品。とんでもないほど多い登場人物(解説によると27人と1匹らしい)による群像劇なんですが、とっても読みやすい!たくさん登場人物はいるはずなのに、無理なく受け入れることができるし、それでいて一人一人のキャラがちゃんとたってる。読み始めるとどんどん話が繋がっていき、一気に読めます。 お気に入りは、仲良しだけどライバルな子役の女の子2人と、パワフルな関東生命八重洲支社のOLの方々。 GWで気軽に1冊楽しい本が読みたい方には是非。
読了日:5月2日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28360456


▼読書メーター
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スキップ

2013年5月19日 読書
再読。

北村薫さんの時間に関する三部作、スキップ、ターン、リセットの第1作目です。


内容紹介
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――もも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。
Amazonより

初めて読んだとき、私も高校生でした。
先生が薦めてくれて読み始めたのですが、そのときは、25年も時が飛んでしまうのが怖くて、そんな中でも一生懸命に前を向いて生きることのできる真理子にちょっとついていけなくて、本との距離を感じた気がします。
今読んでもやっぱり真理子さんには敵いそうもありません。

25年後の真理子さんは国語教師で、その初めての授業の様子や、夫から自分が飛んでくる前の桜木真理子さんの授業の様子を聞く様子が描写されているのですが、そのときに雑談をしていました。自分の先生も授業の初めや途中によく、色々な雑談をしてくれる先生でした。でも今思い出そうとしても思い出せません。どんなことを話してくれたんだろう?面白いお話もいっぱいあった気がするんだけど、思い出せないのはもったいないなぁ。

昭和40年代のものとか流行とかもいっぱい出てきて、実際にその時代を経験したわけじゃないし、わからないものもたくさんあるんだけど、何となく懐かしくて、楽しい気分になるし、技術が進歩して新しく出来たものに自分の時代のものが負けてて悔しいとかそういう気持ちもわかって、私と同じようにわからない人でも楽しめるんじゃないかなと思います。
この時代の25年後は平成初期なんで、新しいといっても既に古い感じのものもありますし、何だか二重に感じてそこも面白いかも。

物語の最後が難しい。
真理子は、それまで涙を流さなかったのに、友人の前で、もう二度ともとに戻れないことを悟り、思いっきり泣いた。
これで気持ちの整理がつくものなんだろうか。
次には、25年後の真理子の娘である美也子さんに、それまでずっと飛んできた真理子とお母さんを別の人として扱っており、真理子も美也子さんを「美也子さん」と呼んでいたのに、「お母さん」と呼ばれ、それに応えるように「美也子」と呼び合った。急に25年分の時間が埋まったわけではないので、やっぱりお互いに心境が変化したのは確かだと思うけど、前に進むにはそうするしかないのだと思うけど、何故かそこにあるのは爽やかな気持ちだけではなく哀愁みたいな物悲しさがある気がして、いつもハッピーエンドにならない本当の人生みたいに、言葉にうまく出来ないけど、辛さや苦さを抱きしめた上の前向きな心を見つけたところで終わってる。

後書きか解説か、どこかに書いてあった気がするけど、「スキップ」ってビデオやDVD(今なら動画サイトの動画とかも)の時間を飛ばすって意味で使うことが多いけど、この小説もその意味で使ってるけど、もう一つ普段の使い方で、浮き足立って飛び跳ねながら進むことも「スキップ」って言います。25年の時間を失うほど大きなことはそうそうあってほしくはないですが、それでもこれから辛いこと厳しい状況はまだまだ訪れると思うけど、そのときこそ飛び跳ねるくらいの勢いを持って前を目指したいです。

再読。

この間の本の続き。
見ようによっては祐介くんは女々しいだけに見えるし、ここにただあらすじを書いても多分ちっとも魅力的な小説には見えないと思います。
ここにあるのは人の人のための想いだから。色んな人が色んな考えを持っていてそれがどこまでいっても全部が優しさ。優しさばかりで泣きたくなるくらい。最近なんだか疲れたなぁって感じてる人には安らぎを与えてくれるんじゃないでしょうか。心の保養に。
実際にはここに出てくるようにデキた人間ばかりではないでしょうが誰かと一緒にいたいなぁと思いました。

以下ちょっと残しておきたいところを引用。



「手伝う、いう言葉はおれは嫌いや。三歳には三歳なりの仕事がある。八十歳には八十歳の、二十歳には二十歳の仕事があるようにな」
((上)p.62)
今自分の仕事はなにかな。


「見てみ。あそこに鈴なりに生っとる、あの柿の実な。あの柿を出荷したかて、おそらくろくに値段もつかへん。ほとんど無価値やろ。けど、あの橙色のきれいな実ぃを、この里の風景をかたちづくる一つの大事な要素やと考えたら、どうや。無限の価値を持つとは思わへんか」
((上)p.64)
価値を一方向だけで判断しちゃだめですね。


というのは、こっちの方言でという意味らしい。僕はそのことを、後から美里ちゃんに聞いて知った。もっとも、、そういう意味では今ではもう若いものには使われていないそうだ。あと十年か二十年もすればまったく聞かれなくなってしまうのかもしれない。
でも、茂市つぁんの口から出たは、ほかのどんな言葉でも置き換えられないほどの思いに満ちていた。たった一人の孫への、慈しみと気遣わしさに。
((上)p.153-154)
方言っていいですよね。一応こういう意味っていうのがあるけど、多分本当にイコールの意味ってないんだよね。そこの人が一番気持ちを込めやすいようにある言葉。うちの方にも方言あるけど忘れたくないな。


「単純なことよ。私を不幸にするのはいつだって私自身。幸せにできるのも結局私自身。・・・・・・どう、少しは参考になった?」
((下)p.193)
いつでも自分の意識と見方しだい。一つずつ今手にしているものを見て。


「英語のことわざで、うーん何ていったっけなあ。All clouds......じゃなくて、そうだ、Every cloudよ。"Every cloud has a silver lining."って言葉があるの、知ってる?」
(中略)
・・・・・・すべての雲は銀の裏地を持っている――要するに、『どんな不幸にもいい面はある』みたいな能天気な意味だそうだけど。」
((下)p.321-322)
本のタイトルになっている部分です。英語の響きがすごく綺麗。能天気でふわふわしてるのは雲のことわざだからなのかな。意味を訳しちゃうのは何となく風情がないよね。意味を知ってるのは大事だけど、詩として心にとどめて置きたいです。


再読。

失恋、それも実の兄に恋人を奪われての失恋。
無気力なときに友人の半ば強引な誘いで信州菅平までアルバイトへ。
そこでの生活や人に触れて・・・。

失恋からの傷心癒しに何かするというお話はよくある気がしますが、傷心しているわけでもないこちらまで何故か癒されるというのはすごいと思います。
ただ優しいだけじゃなく、ただ厳しいだけでもなく、そこで出会う人にも色々背負っているものや悩みがあり、その中にだんだんと包まれ解けていく・・・。お年寄りが使う方言も、ちょっと年上の人が見せる気さくさも、年の近い子と仲良くお話するのも、小さな子の大きな想いも、何もかもが素敵です。

この本を読んでいる間は自分の時間までゆっくりと流れ、幸せな気分になります。
こんな素敵なところで素敵な人に囲まれて働けたらいいなー。
まだ下巻がありますが、そこでも素敵な想いが溢れているといいな。
再読。

ある日自分のドッペルゲンガーと出会うお話。
何かもやもやしている毎日を過ごしているとき、旅行帰りに立ち寄った福岡で自分にそっくりな人間に出会う。その人は昔自分が付き合っていた人と結婚してとても幸せそうに生活していた。自分の生活が上手くいっていないのもあり、そのもう一人の自分の生活を羨ましく思う。一方ドッペルゲンガーの方も、普段東京で自由にしているもう一人の自分を羨ましく思う。そこでお互いの生活を一ヶ月間交換してみることにしたのだが・・・

隣の芝はなんとやら・・という感じで、もう一人の自分の生活が羨ましく見えた二人ですが、入れ替わったことで、今までの自分の生活の良かったところ、自分の結婚相手のよかったところや自分のダメだったところが見えてくるところまでは、実際に入れ替わってみなくてもよくあるのかな?

ただこの本は2人の女性が入れ替わるということで、(女性だからというわけではないのですが)その関係が捩れてきたときの二人の感情が怖い怖い。お互いがお互いを殺そうとしたりもうドロドロ・・・。最後にはまぁ和解とはいかないけどそれなりに落ち着くところに落ち着いた終わり方にはなりますが、物語がスタートしたころの新鮮な気持ちはどこへやら・・・。

もし私がもう一人いてもとても生活を取り替えてくれとは言えないなぁ。
というか多分話しかけることすらできないので物語が始まりすらしないでしょうね(笑)
だって生活云々の前に怖すぎる・・・

素敵なタイトルと表紙(この記事のAmazonのではなく蝶々のやつです)に惹かれて買ったらそこからはちょっとギャップのある恐ろしい本に出くわしてしまいました。

ドミノ

2013年5月1日 読書
再読。

ドミノそのものはお話に関係ないのですが、まさに「ドミノ」というタイトルがふさわしい作品。
とんでもないほど多い登場人物(解説によると27人と1匹らしい)による群像劇なんですが、とっても読みやすい!たくさん登場人物はいるはずなのに、無理なく受け入れることができるし、それでいて一人一人のキャラがちゃんとたってる。読み始めるとどんどん話が繋がっていき、一気に読めます。一人一人の話が短く区切ってあり、それでいてまとまっているのでテンポよく読めます。400ページほどがあっという間に過ぎ去っていきました。

数多くいる登場人物のなかでのお気に入りは、子役の女の子2人。
大人のいやらしい部分を見ながらも仲良く2人で協力して演技したり、でもやっぱり子供っぽいところもあったりでかわいかったです。

あと好きだったのは、関東生命八重洲支社のOLの方々。
とても個性的で面白かったりかっこよかったり。忙しそうだけど楽しそうな強い女性が戦う職場。

巻頭にある各キャラクターの一言コメントからもう面白い。
駆け抜けた読後もすっきり爽やかで、とにかく楽しかったなーという思いが残ります。
GWで気軽に1冊楽しい本が読みたい方がいらっしゃったら是非に。
2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:672ページ
ナイス数:22ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■海を抱く BAD KIDS (集英社文庫)
2人の男子高生と女子高生を中心に、2人がちょっとだけ変わった関係を築き、心や性、命といったものに向き合っていくお話。小説ということでドラマティックになっているものの、大なり小なり、同じような年頃に同じような悩みを持つことはよくあると思います。この作品の中では2人なりの答え(答えともいえない"落ち着くところ"という感じでしょうか)を探し出してくれました。高校生くらいの人たちはもちろん、色々なことに悩んでいる・行き詰っている誰でもが、読んでみると光が見えたりヒントがあったりするんじゃないかなぁと思いました。
読了日:4月16日 著者:村山 由佳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27910260

■BAD KIDS バッド キッズ (集英社文庫)
テーマはただの恋愛ではない難しいものですが、読んでいる私までも、2人とともに悩み、安らぎを求め、愛情を感じ、成長しているような感覚を持ってしまいます。 以前読んだときにはテーマを自分の中で消化しきれずモヤモヤしてしまいましたが、今回はちょっとすっきりしました。私自身も少しは成長したのかしら・・・?
読了日:4月8日 著者:村山 由佳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27717653


▼読書メーター
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海を抱く BAD KIDS

2013年4月15日 読書
再読。
先日読んだBAD KIDSと同じ舞台での違うお話。

お話の舞台や時期は前作と同じで、ときどき前作のキャラクターが絡んでくるので前作を読んでいるとちょっと嬉しい。

お話は、サーフィンの世界大会にも出るようなサーフィン一筋の男の子の光秀と、学校や家ではいい子の優等生、でも性欲が人一倍強く、そのどうしようもない欲望を持て余している女の子の恵理。ある日とうとう、興味と欲に負け、恵理は"初めて"をその辺のサラリーマンの男に捧げてしまう。誰にも見つからないはずだったのに、その男といるときに光秀と偶然会ってしまう。そこから、"誰にも言わないという取り引き"のため関係を持つようになる。またふたりはそれぞれ家族に問題をかかえている。その中でこのふたりの関係はどうなっていくのか・・・。という感じです。

もやもやとしたお話の中でのサーフィンの描写はより爽やかにキラキラ輝いて見えました。海に関する描写や喩えも多く、潮の香りや潮騒の音が感じられる気がしました。それは本物の海だけじゃなくても、その身体に海を抱いている恵理やその身体に抱かれる光秀も・・・。生命の源はやっぱり海なんですね。


人が、年を取れば取るほど時の過ぎるのを速く感じるようになっていくのは、一歳のときの一年間を1/1、五十歳のときの一年を1/50と感じるからだという話を聞いたことがある。
(pp.280-281)

ジャネーの法則ってやつですね。しっかり反比例してるかどうかはわかりませんが、やっぱり最近一年が早く感じます。小学生のときとか友達と数時間でも遊んだら満足できたなぁ・・・。将来のことも小さい頃は1年先がとても遠く思えたのに、今は5年10年先まで普通に考えてる。将来のことなんか今も昔もわからなくて見えないことだらけなはずなのに、なぜか昔のほうが希望があってワクワクしてた気がする。書いてるだけで悲しくなる。。。


「コーヒー、ごちそうさま」
(p.313)

これ以前まで、恵理は光秀に対してちょっとしたアリガトウの言葉すら言えないという描写がいくつかあり、何かはじめて恵理が光秀に対してちょっと素直になったところに思えました。この辺りからふたりの関係性にも変化が見えたので、素直な言葉っていうのはいろいろ変えてくれるんだなぁと。捻くれがちなときもあるけれどいつも素直でありたいです。



前作『BAD KIDS』、本作『海を抱く BAD KIDS』ともに、同じ舞台・同じ時間の中の2人の男子高校生と女子高生というペアを中心に、2人がちょっとだけ変わった関係を築き、心や性、命といったものに向き合っていくお話でした。小説ということでドラマティックになっているものの、大なり小なり、同じような年頃に同じような悩みを持つことはよくあると思います。同じ悩みを多くの人がもつのに、たいていは隠したり、表立って話さないので、みんなその悩みを抱えた解決されないまま大人になっていきます。そもそも完璧に正しい答えがないテーマなので、その人なりの答えを自分で探すしかなく、相談のしようもないのかもしれませんが。そんな中でこの作品の中では、この作品の中のふたりなりの"答え"(答えともいえない"落ち着くところ"という感じでしょうか)を探し出してくれました。同じ高校生くらいの人たちはもちろん、いろいろなことに悩んでいる・行き詰っている誰でもが、読んでみると光が見えたりヒントがあったりするんじゃないかなぁと思いました。
再読。

お久しぶりの読書感想。



高校生の都と隆之。
都は写真部であり、ラグビー部の隆之のことを最高の被写体と思いシャッターを切る。
とある都が写した写真の隆之は、隆之の誰にも言えない秘密を写しだしてしまっていた。
そこからお互い愛や性に関する大きな悩みを抱える2人が支えあい、付き合ったりしているわけではないけれど、そこに確かな愛情を感じながら問題にぶつかっていく・・・。

この作品の数年前に発表された「天使の卵」が村山由佳さんの出世作という位置づけですが、その頃より、より丁寧に、繊細に、触れたら簡単に壊れてしまいそうな高校生の心まで瑞々しく描かれ、テーマはただの恋愛ではない、難しいものですが、読んでいる私までも、2人とともに悩み、安らぎを求め、愛情を感じ、成長しているような感覚を持ってしまいます。



「ずいぶん臆病なんだな」
「年を重ねるって、そういうことよ」
(p.206)

この感覚、最近なんとなーく分かってしまいます。
嬉しいような悲しいような・・・


抱えている穴ぼこが大きければ大きいほど、それを埋めるには大変なエネルギーがいるはずで、そのエネルギーが、いつかあたしに凄い写真を撮らせてくれる可能性もないわけじゃない。でも、もしかしたら、その穴ぼこに逆にのみ込まれてしまう危険だってあり得るのだ。
(p.218)

これもなんとなーくわかる。
エネルギーをプラスの方向に爆発させてとんでもない成功を収める人もいれば、どうしようもなくなって最悪の結末を迎える人もいる。
前を向いて精一杯力いっぱい。



今回再読でしたが、以前読んだときにはテーマを自分の中で消化しきれずモヤモヤしてしまいましたが、今回はちょっとすっきりしました。私自身も少しは成長したのかしら・・・?
2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:246ページ
ナイス数:5ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■生き方―人間として一番大切なこと
本書は、私にとって、何かを与えてくれたり教えてくれたりする本ではありませんでした。本書は、本来日本人の精神として刻まれていたもの、小さい頃に誰もが教わるようなこと、宗教や過去の偉人らが考え出した古来よりの教訓など、もはや基礎基本、普遍普通、当たり前といわれるようなものなのですが、最近忘れかけているようなことをもう一度確認し、思い出させてくれる本でありました。
読了日:3月31日 著者:稲盛 和夫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27483347


▼読書メーター
2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:455ページ
ナイス数:27ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■夜のピクニック (新潮文庫)
恩田陸さんの本は本当に心に響きます。この本もそうでした。 素晴らしい情景描写と高校生の青臭さ、歩行祭というイベントがさらにそれを盛り立てていてもう最高です。読後も非常にさわやかで気持ちがいいです。 色んな話をしながらひたすら歩き続ける。これだけでなんという青春物語! そして貴子と融が打ち解けあい、少しずつ歩み寄っていく・・・ 夜が明け朝になっていく・・・ 坂を上ってその先のゴールが見えてくる・・・ すごっくいい! この本はとても大切な一冊になりました。
読了日:1月29日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25655557


▼読書メーター
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夜のピクニック

2013年1月28日 読書
再読です。

久しぶりに本を1冊読みきりました。


 高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するだめに――。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

(背表紙より引用)

恩田陸さんの本は本当に心に響きます。
この本もそうでした。
素晴らしい情景描写と高校生の青臭さ、歩行祭というイベントがさらにそれを盛り立てていてもう最高です。私自身も中学のころに似たようなイベントがあってその頃を思い出し、感情移入することができました。読後も非常にさわやかで気持ちがいいです。

以下適当に引用をしながら感想。


みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。
(p.31)

杏奈が残していった言葉。中学や高校のときのイベントって本当にちょっとしたイベント1つ1つが特別ですよね。当時は辛かったりしてもなぜかいい思い出に変わる。不思議ですね。


こうして、夜中に、昼間ならば絶対に語れないようなことを語っている今こそが――全身痛みでボロボロなんだけど、顔も見えない真っ暗なところで話をしながら頷いているのが、あたしの歩行祭なのだと。

(p.240)
夜中に語り合うのはいい青春!夜って何で普段恥ずかしいことでも言えちゃったりするんでしょうね。


戸田忍に告白するつもりはないと言った千秋。そう思える相手がいるだけでいいと言った千秋。
いったいどこまでが恋に恋していて、どこから先が恋人に恋していると決められるのだろう。違いは何なのだろう。

(p.331)
奥ゆかしいというかこのような恋もいいですよね。自分も割りと好きでいられることが幸せ派なので共感してしまいます。


そして、貴子と融が打ち解けあい、少しずつ歩み寄っていく・・・
夜が明け朝になっていく・・・
坂を上ってその先のゴールが見えてくる・・・

すっごくいいですね!
この本はとても大切な一冊になりました。
2012年11月の読書メーター
読んだ本の数:0冊
読んだページ数:0ページ
ナイス数:19ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/
2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:309ページ
ナイス数:57ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■星を継ぐもの (創元SF文庫)
SF小説なんてほとんど読んだことないからちょっと緊張して読み始めました。でも考えたら子供の頃からドラえもんというSFにたっぷり触れているじゃん!って思ったら少しだけ気楽に読めるようになりました。 読むと筆者の想像力がものすごく豊かであることを感じました。22年も前の本ですが、真新しささえ感じることができるのはその証明になると思います。現代でも宇宙のことはまだまだ解明されていないことを思うとSF小説を読むことでそのロマンが広がりますね。友人の薦めで読み始めましたが素晴らしい小説に出会えて幸せです。
読了日:10月14日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22914736


▼読書メーター
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星を継ぐもの

2012年10月14日 読書
J・P・ホーガンさんの「星を継ぐもの」、読み終わりました。

SF小説なんてほとんど読んだことないからちょっと緊張して読み始めました。
でも考えたら子供の頃からドラえもんというSFにたっぷり触れているじゃん!って思ったら少しだけ気楽に読めるようになりました。

月で発見された人間そっくりの死体。しかし彼はなんと500万年前に死んでいた。
一方で木星の衛星ガニメデで発見された人間の文明を遥かに超えた技術で作られた宇宙船と巨人の死体。

この2つは関係があるのかないのか、様々な方面の学者が知恵を持ち寄ってその解明に挑みます。

そしてその結論は・・・

その結論は筆者の想像力がびっくりするほど豊かであることを感じました。
もう22年も前の本ですが、真新しささえ感じることができるのはその証明になると思います。
現代に至っても宇宙のことはまだまだ解明されていないことを思うとこのようなSF小説を読むことでそのロマンが広がりますね。
友人の薦めで読み始めましたが素晴らしい小説に出会えて幸せです。
2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2018ページ
ナイス数:93ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome?invite_id=251565

■憑物語
書くことあんまりないなーと思ったのはこの本がファイナルシーズンの序章にしかなってないからだと思います。扇ちゃんやメメのこと、阿良々木くんの吸血鬼化問題に関しても今回で終わりではないでしょう。どうやらファイナルシーズンは一巻完結型ではなく3部作構成になる気がします。 本巻は"100%終焉に向かう小説です"とのことでしたが確かにその第一歩を感じる内容となっていました。最終的にどのような終焉となるのか、今から楽しみでなりません。
読了日:9月30日 著者:西尾 維新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22574791

■TRICK―トリックthe novel (角川文庫)
売れないマジシャンの山田奈緒子と物理学者の上田次郎のヘンテココンビが超常現象や霊能力のトリックを暴いていきます。 この二人や警察官の何ともくだらないやりとりがテンポよくお話を進め、「お前らがやったこと、全部お見通しだ!」というキメ台詞とともにトリックを暴いていくのが気持ちいいです。 ドラマの記憶はちょこっとしか残ってないですが、頭の中でキャラクターが素直に描かれ、馬鹿馬鹿しくもあり少し気味悪い雰囲気もあり楽しく読めました。
読了日:9月21日 著者:蒔田 光治,林 誠人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22310240

■インストール (河出文庫)
まずページ数が少なく、文章量も少なく、解説にもありますが句読点が上手く打ってあるのでさらりと読めてしまいます。読書が苦手な方でも平気で読めてしまうと思います。 本としては何かを訴えるわけでもなく、目新しさとかそういうものも特にあるわけではないのです。しかし、何もかも辞めてしまいたいとか、そんなことを思うときは誰しもあると思います。もっと言えば、今現在実際に不登校になってしまったり、引き篭もってしまっている人も。そういう人や気持ちを、少しだけ前に向かせてくれる本だったと思います。
読了日:9月16日 著者:綿矢 りさ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22193780

■博士の愛した数式 (新潮文庫)
この本は本当にすべてが優しく温かく、愛情に満ち溢れています。その優しさ、温かさ、愛情があまりにもすごく、読んでいて私自身涙することもしばしばありました。 数学者がテーマの本といっても難しい話はなく、博士の言葉を借りるならば神様のメモ帳を少し覗かせてもらっているだけという感じで、その神秘的な部分にだけ触れることができます。数学が苦手だった人でも大丈夫です。逆に是非とも手に取ってみてほしい本です。
読了日:9月12日 著者:小川 洋子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22080714

■化物語(下) (講談社BOX)
この化物語(下)はシリーズ通しても恋愛要素の強いほうの作品でした。 「それでいいんだよ。必要なときにそこにいてくれたという事実は、ただそれだけのことで、何にも増して、ありがたいものだ」お父さんいい台詞いうなー!その後のふたりのラブシーンもロマンチックでとっても素敵でした。キュンキュンしちゃうね! そして羽川さん・・・。切なすぎるよう・・・(´・ω・`) ファイナルシーズンではどうか報われますよう・・・。 〆の文章である「僕たちのクラスの出し物は、お化け屋敷」っていうのは中々シャレてていいですね。
読了日:9月7日 著者:西尾 維新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21943863

■化物語(上) (講談社BOX)
言葉遊びのような会話劇は今読んでも楽しめます。 ただの言葉遊びかと思いきやストーリー本筋と絡んでくるところはすごいなぁと思いました。 引き続き下巻も読もうと思います。
読了日:9月3日 著者:西尾 維新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21829029


▼読書メーター
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シリーズ13作目、『憑物語』読み終わりました。

一応以下ネタバレ注意です。




といっても何か今回あんまり書くことない気が。

最初の目覚ましのくだりは長いわりに何が言いたいか分かりにくくちょっと余談がすぎた感じ。

ファイヤーシスターズとのいちゃいちゃは楽しかったです。
月火ちゃんとお風呂入りたいなーw
結局3人で仲良くお風呂ってオチだったらよかったのにww

アニメに関するメタ発言も最早おなじみといった感じ。これは多すぎもせずちょうどよく楽しめる量かな。

一応今回の物語の主犯というポジションにいる手折正弦に関してはもうちょっと分かりやすく掘り下げてくれてもよかったんじゃないかなぁ。
ただ彼の話だと"何か(誰か)"によってやらされているような感があったようで、おそらくその"何か(誰か)"は今後のストーリーに関わってくると思われるんだけど、今回は結果として正弦は殺されてしまい、最終的には被害者ということになりそうな予感。

"今回のオチ"では阿良々木くんと戦場ヶ原さんの会話があるんですが、ガハラさんが暦のことを「こよこよ」って呼んでたのは笑ったwwどんだけデレてるんですか!ww

大雑把にいうとこんなところ。


今回あんまり書くことがないっていうのは、別に面白くなかったわけじゃなくて、この本がファイナルシーズンの序章にしかなってないからだと思います。扇ちゃんやメメのこと、阿良々木くんの吸血鬼化問題に関しても今回で終わりではないでしょう。どうやらファイナルシーズンは一巻完結型ではなく3部作構成になる気がします。もちろん次巻の『終物語(おうぎダーク)』で完結させて、『続・終物語(こよみブック)』ではアフターストーリーとかそういうものになる可能性もありますが、、、"続"ってついてるからには少なくともあとの2巻は続き物じゃないのかなぁ。でも『終物語』って第完話ってなってるんだよなぁ。考えたところでわかりませんね。

まぁ、あとこれも毎度っていえば毎度のことなんですけど"よつぎドール"っていう感じではないよね。確かに余接ちゃんの出番は多いですし、人形であり、化物であり、化物になるとかならないとかは今回のテーマのひとつではあると思いますが、よつぎドールというのが的を射ている感じはしないです。だから半分正解みたいな感じ。内容は阿良々木くんのことばかりですから、残りの半分は"こよみヴァンプ2"(?)そもそもこれが序章と考えるならサブタイトルの意味自体薄いものかもしれないですが。しかし"第体話"というのはまさしくそのとおりだと思います。体のお話。人間だとか、吸血鬼だとか、人形だとか、不死性だとか、成長だとか、etc...
その意味の薄げなサブタイトル的には次の『終物語(おうぎダーク)』がキーポイントになりそうな予感?


本巻は"100%終焉に向かう小説です"とのことでしたが確かにその第一歩を感じる内容となっていました。最終的にどのような終焉となるのか、今から楽しみでなりません!
再読。

売れないマジシャンの山田奈緒子と物理学者の上田次郎のヘンテココンビが超常現象や霊能力のトリックを暴いていきます。
この二人や警察官の何ともくだらないやりとりがテンポよくお話を進め、「お前らがやったこと、全部お見通しだ!」というキメ台詞とともにトリックを暴いていくのが気持ちいいです。
ドラマの記憶はちょこっとしか残ってないですが、頭の中でキャラクターが素直に描かれ、馬鹿馬鹿しくもあり少し気味悪い雰囲気もあり楽しく読めました。

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