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2012年9月16日 読書
再読しました。

まずページ数が少なく、文章量も少なく、解説にもありますが句読点が上手く打ってあるのでさらりと読めてしまいます。読書が苦手な方でも平気で読めてしまうと思います。

ちょっとしたことがきっかけで不登校になったしまった朝子。
勢いにまかせ部屋のものを全部捨てた。
その中にあったオンボロのパソコンに目をつけた小学生の青木くんと出会う。
青木くんに誘われそのパソコンを使ったちょっと怪しげなバイトを始める。
それはいわゆるエロチャット。朝子は全く知らなかった世界がそこにある。
お互いの親に隠れながら、押入れの中で一ヶ月ほどチャットをする生活。
しかし留年という危機感が迫り、母親にもバレ、心の中に燻っていた真面目さも目を覚まし、人恋しさも出てきて、その生活に終わりを告げ、少し前進する。

本としては何かを訴えるわけでもなく、目新しさとかそういうものも特にあるわけではないのです。しかし、何もかも辞めてしまいたいとか、そんなことを思うときは誰しもあると思います。もっと言えば、今現在実際に不登校になってしまったり、引き篭もってしまっている人も。私自身そのような経験が少しあるので分かるのですが。そういう人や気持ちを、少しだけ前に向かせてくれる本だったと思います。
再読しました。

元数学者の「博士」と、その家へ派遣された家政婦の「私」、私の息子である十歳の「ルート」。
博士の記憶は80分しか持ちません。
博士が話してくれることは数学や数字のことばかり。
そんな博士に最初は戸惑うふたり。
しかし博士のしてくれるお話はいつでも愛情と優しさに満ち溢れていました。
私とルートもそんな博士に対して同じように愛情と優しさをもって応えるようになります。
博士は私やルートが数字の関連性などに気付くと、それが博士にとってどんなに簡単なことであっても、世紀の大発見のように驚きそのことについて優しく教えてくれました。
220と284は友愛数。友愛の契りを結んだ数。
28は完全数。江夏豊(博士の好きな野球選手)の背番号。
博士と過ごした日々はふたりにとってどれもがかけがえのないものになりました。
算数の宿題、一緒に行った野球観戦、ルートの誕生パーティとプレゼント・・・。
そして博士が残したe^πi+1=0というメモはいつまでも私の宝物となりました。

繰り返しになってしまいますが、この本は本当にすべてが優しく温かく、愛情に満ち溢れています。その優しさ、温かさ、愛情があまりにもすごく、読んでいて私自身涙することもしばしばありました。
数学者がテーマの本といっても難しい話はなく、博士の言葉を借りるならば神様のメモ帳を少し覗かせてもらっているだけという感じで、その神秘的な部分にだけ触れることができます。数学が苦手だった人でも大丈夫です。逆に是非とも手に取ってみてほしい本です。

化物語(下)

2012年9月7日 読書
引き続き再読。

この化物語(下)はシリーズ通しても恋愛要素の強いほうの作品ですね。
なでこスネイクからつばさキャットまでほとんどが恋愛絡みです。
本書風に言うならば惚れた腫れたのお話です。

それでは格話ずつの感想等。

■なでこスネイク
阿良々木くんと神原さんのデートから始まります。
阿良々木くんも彼女より先にその後輩とデートすることになって複雑な気持ちの様子。
薄くて弱い。阿良々木くんも気にしているようです。
でも結局楽しんじゃうんだよねーww
阿良々木ハーレム。
このツケというかダメなところが、後々の忍ちゃんが家出しちゃったりラスボスと化す撫子ちゃんにつながったり、鬼物語で問い詰められたりするわけですが。
阿良々木くんは誰とでも楽しそうに会話するよね(女の子に限る)


何のどんな番外編でも、お前が語り部になることはないと思う。
(p.49)


お前っていうのは神原さんなんですが、しっかり花物語で語り部になっちゃいましたねw
阿良々木くんの予想はっずれー!
関係ないですが花物語って位置づけ的には番外編に近いですよね。


「(略)あと、そうだ、あれは怪異じゃないのかな?ウロボロスってやつ。自分の尻尾食って輪になってる・・・・・・」
(p.90)


囮物語にでてきたウロボロス。もうここで単語自体は出てたんですね。

人を呪わば穴二つ。
今回の事件も一応の解決をみたのですが完全なハッピーエンドではないですね。
そもそもこのシリーズ完全なハッピーエンドなんてほとんどない気がしますが。
阿良々木くんを呪ったら穴はいくつあっても足りそうにないですねw女の子みんなから呪い返されちゃうw

■つばさキャット
まずはひたぎさんとの初デートのことから書きましょうか。
お父さんいい味だしてたなー。ちょっと茶目っ気もあるけど渋くてかっこいー!


「それでいいんだよ。必要なときにそこにいてくれたという事実は、ただそれだけのことで、何にも増して、ありがたいものだ」
(p.228)


これは名言ですよね!

そして二人のイチャラブシーン。
星空を寝転んでふたりで眺めるなんて・・・。あああああああああいいなああああああああ!
そんな青春いいなあああああああああ!
ひたぎさん、結構ロマンチストなんですね。台詞回しもふたりだけの世界って感じでいい!
はあああああああああああああああああん!
きゅうううううううううううううううううううううん!キュンキュンだよー!


そんな夜から一日おいて、ブラック羽川さん登場と忍ちゃん家出。
まったく阿良々木くんは鈍感だなぁ!
都合がいい方向に鈍感すぎるな!

「誇っていいんだな」じゃないよ!DVDのコメンタリーで羽川さんも言ってたけど!
そんなずるい終わらせ方があるか!
そんなんだから羽川さんが苛虎まで作り出しちゃうようになるんでしょうが!
バサ姉切なすぎるよバサ姉・・・(´・ω・`)

そんなこんなで忍野メメも去り、物語は終わりました。
〆の文章である、「僕たちのクラスの出し物は、お化け屋敷」っていうのは中々シャレてていいですね。

やっぱりめっちゃおもしろかったです、化物語!

化物語(上)

2012年9月3日 読書
再読ー。

今更特に書くようなこともないかもしれませんが。

言葉遊びのような会話劇は今読んでも楽しめます。

ただの言葉遊びかと思いきやストーリー本筋と絡んでくるところはすごいなぁと思います。

ちょっとずつ各お話の中身にも触れたいと思います。
まずは「ひたぎクラブ」。


「ありがとう、阿良々木くん。私は、あなたにとても、感謝しているわ。今までのこと、全部謝ります。図々しいかもしれないけれど、これからも仲良くしてくれたら、私、とても嬉しいわ」
(p.97-98)


ひたぎクラブの最後の最後。ガハラさんの台詞。
正直この台詞が今までで一番のデレ台詞だと思うww

次、「まよいマイマイ」。


「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」
(p.135)
「見かけたら、話しかけてくださいね」
(p.242)


鬼物語のときにも触れましたがこの台詞の変化には感動しました。
付け加えるなら「見かけたら、話しかけてくださいね。(あなたのことが大好きです)」かな?
しかしここから阿良々木くんがロリコン一直線になろうとは・・・w

3つ目。「するがモンキー」。


「『臥煙』だったかと。臥薪嘗胆の『臥』に、煙幕の『えん』で、『がえん』・・・・・・臥煙遠江というのが、母の結婚前の名前だ」
「・・・・・・へえ。ああ、そうかい。(略)」
(p.393)


臥煙 伊豆湖さんと接点がある忍野としては何か思うところがあったハズです。
この時点で臥煙 伊豆湖さんのキャラクターが設定されていたかどうかはわかりませんが・・・。


「(略)悪魔の木乃伊なんて、実際、大したもんだ。人魚の木乃伊とかなら、まだ聞いたことがあるけれどね。ふうむ、まあお嬢ちゃんが受け取った当時に手首までだったとして、それならば、残りの部分がどうなったかというのは、個人的には非常に興味のあるところだな」
(p.406)


この「残りの部分」に関しては花物語に繋がっていくわけですね。
メメは残りの部分について何か気づいていたんでしょうか・・・?

続いて下巻も再読していこうと思いますー。
2012年8月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3084ページ
ナイス数:152ナイス

■天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)
村山由佳さんのデビュー作である作品ですが、この頃から描かれる淡い恋愛模様は素晴らしいですね。まさに純愛ものです。 19歳の主人公の若々しいまっすぐさと、一回り上の27歳の大人びてやわらかい女性の物腰。 お話は悲しい終わりを迎えてしまいますが、鮮やかに描かれる季節背景と合わさって、非常に綺麗な文章です。 純愛ものが好きな人にはお勧めできる一冊だと思います。
読了日:08月31日 著者:村山 由佳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21748282

■負けるもんか (オープンブックス)
辛かったんだなぁとか大変だったんだなぁというのは十二分に伝わってくる内容ですが、こういうのは結局当事者にならないと本当のところは分からないんだろうなとも思います。 なんというか正直なところ自分の人生経験が浅すぎてこういう重たい本は自分にはまだついていけないなと感じたところもありました。 精進せねば・・・!
読了日:08月29日 著者:川合真紀
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21700555

■四畳半神話大系 (角川文庫)
感想等書こうと思うのですが、うまく書けそうにない不思議な読後です。 個性の強いキャラクターをそのままに4つのパラレルワールドが展開されます。 文章は小難しい言葉や言い回しが多いわりにテンポよく読め、それを感じさせません。 背景に描写される京都の風景も読んでいるだけで思い浮かぶほどの風情があります。 いつまでもこのパラレルワールドを読んでいたくなる、そんな作品でした。
読了日:08月28日 著者:森見 登美彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21677361

■ふたりの距離の概算 (角川文庫)
里志と摩耶花が付き合いだしたというところで色々想像(妄想)してしまいニヤニヤしてしまいました。手作りチョコレート事件を読んだ後だとなおさらね! また奉太郎とえるにも二人だけのひみつが・・・。二人の心の距離の概算はいかほどなのでしょうか・・・? 『手はどこまでも伸びるはず。』 サブタイトルにもなっていますが、今作で強烈な印象を与えたのはこの文章でした。 奉太郎もどこか感じるものがあったようで、省エネ主義もちょっとずつ変わっていくのかな。 次回作以降に期待ですね。
読了日:08月25日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21574162

■遠まわりする雛 (角川文庫)
本書は作者もあとがきで言っている通り、一年を通して描くことにより、4人の距離が少しずつ縮まっていくのを感じさせる内容となっていると思います。 その距離の変化は緩やかではありますが、非常に心地のよいものになっていると思います。 アニメでは全部やってくれるのでしょうか。やってほしいなぁ。特に「あきましておめでとう」~「遠まわりする雛」は面白いしかわいくてちょっと切ない、いい感じの青春ストーリーになっていると思うので是非とも映像で見たいところです。
読了日:08月22日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21520156

■クドリャフカの順番 (角川文庫)
前の2作では全て奉太郎の視点から語られた物語だったのに対し、本作は古典部4人の視点から描かれています。今まで描かれていなかった古典部員の心の中や考えが描かれ、とても新鮮で非常に面白かったです!
舞台は文化祭!作りすぎた文集「氷菓」と「十文字」事件の2本を柱とし、文化祭らしく色々なイベント等が描かれています。
キーワードは『期待』。様々な気持ちが錯綜します。『期待』という言葉に注目して読むと面白いかなと思います。
読了日:08月19日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21427486

■愚者のエンドロール (角川文庫)
奉太郎の葛藤などが楽しかったので青春小説としては◎だと思います。ミステリ部分は自分は詳しくないので何とも言いがたいですが青春部分ともうまく噛んでおり楽しめました。
読了日:08月14日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21307892

■氷菓 (角川文庫)
アニメで結末を知ってしまっている身としてはちょっとドキドキに欠ける感じがしてしまいました。しかしながら"灰色"だった生活が、千反田えるという女の子と出会い、謎を解きながら、少しずつ色付いていく様子は非常に魅力的に感じる本書であったと思います。
読了日:08月11日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21308142

■傷物語 (講談社BOX)
全体としては、他の物語シリーズよろしく冗談もあり、ストーリーもしっかり楽しめるとっても充実した一冊になっていると思います。 羽川、忍野との出会い。そしてキスショット、後の忍との傷付けあった結果紡がれた絆。 「青春は、いたみ なしでは過ごせない。」というキャッチコピーどおり、色々な青春の"痛み"が詰まっていると思います。
読了日:08月06日 著者:西尾 維新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21308202

■ネバーランド (集英社文庫)
自分がこのような体験をしたわけではないのに、なぜか懐かしく感じます。 解説の吉田伸子さんの言葉をお借りすると、4人が松籟館で過ごした日々こそが「ネバーランド」なのだと思いました。 昔の青春時代を思い出したい人にも、今まさに高校生活を送っている方にも、もちろん女性の方でも、爽やかに楽しめる作品だと思いました。
読了日:08月02日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21308301


▼2012年8月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/251565/matome

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

村山由佳さんの「天使の卵 エンジェルス・エッグ」を再読しました。
村山由佳さんの作品では映画化もされてるしこれが一番有名なのかな?
でも映画は見てないです。

絵で芸大を目指す浪人生の歩太は満員電車の中で出会った年上の女性に一目惚れします。
その人は8歳年上で精神科医でした。
歩太の父親は精神病で入院しており、病院でその女性と偶然に再会することになります。
名前は春妃。
なんと高校時代に付き合っていた夏姫の姉でした。
一目惚れして想いを募らせていく歩太に対し、それとなく拒否する春妃。
春妃は死に別れた夫がいました。その人と春妃は18歳のときの家庭教師として知り合い、すぐに恋に落ち結婚したそうです。しかし夫は気が狂い自殺。そこから春妃は精神科医を目指すことになったようです。
しかし春妃の担当していた歩太の父親が飛び降り自殺してしまい、結局自分には何も救えないんだと落ち込む春妃。そんな時歩太が春妃を慰めそばにいることで元気付けます。
そしてお互い自然に惹かれあうようになり結ばれ、同棲するようにもなり、歩太も芸大に合格し、全てが順調に思われました。
そう思われた瞬間でした。身篭っていた春妃は流産をしてしまい、その処置を医者が誤り春妃は亡くなってしまいます。
これまでにない絶望感にとらわれた歩太。
歩太のクロッキー帳には、確かに春妃がいました。どのページにもあふれかえる春妃が。


村山由佳さんのデビュー作である作品ですが、この頃から描かれる淡い恋愛模様は素晴らしいですね。まさに純愛ものです。
19歳の主人公の若々しいまっすぐさと、一回り上の27歳の大人びてやわらかい女性の物腰。
お話は悲しい終わりを迎えてしまいますが、鮮やかに描かれる季節背景と合わさって、非常に綺麗な文章です。
純愛ものが好きな人にはお勧めできる一冊だと思います。
川合真紀さんの「負けるもんか」を読みました。

著者が母の知り合いだそうで母から薦められて。

内容は、

一卵性の双子である私と姉の美紀。幼い頃はいつも一緒だった私たちもやがて大人になり、それぞれに平穏な家庭を持った。しかし、そんな私たち家族に次々と困難が降りかかる。難病に倒れ骨髄移植を余儀なくされた夫、10万人に1人のガンに侵された姉、子供のできない私……。苦難を乗り越え、それぞれが自分の夢を見つけていく――逆風の中、希望を見失わなかった双子と家族の絆の物語。
(Amazonから引用)

といったもの。

辛かったんだなぁとか大変だったんだなぁというのは十二分に伝わってくる内容ですが、こういうのは結局当事者にならないと本当のところは分からないんだろうなとも思います。

なんというか正直なところ自分の人生経験が浅すぎてこういう重たい本は自分にはまだついていけないなと感じたところもあります。

精進せねば・・・!
森見登美彦さんの「四畳半神話大系」読み終わりました。

アニメのほうを先に見ています。

感想等書こうと思うのですが、うまく書けそうにない不思議な読後です。

ただ先に申し上げると名作なのは間違いありません。

四畳半の部屋に住むうだつの上がらない大学3回生の「私」、気味の悪い妖怪みたいな顔をした友人小津、理知的な女性明石さん、「私」の一階上に住む樋口師匠なる人物、樋口師匠や小津と面識があり酔うと顔を舐めたがる羽貫さん、樋口師匠と自虐的代理代理戦争を行い映画サークルみそぎの部長を務めるが女性の乳が大好きな城ヶ崎氏、妖気を垂れ流している占い師等々・・・。

個性の強いキャラクターをそのままに4つのパラレルワールドが展開されます。
文章は小難しい言葉や言い回しが多いわりにテンポよく読め、それを感じさせません。
背景に描写される京都の風景も読んでいるだけで思い浮かぶほどの風情があります。

いつまでもこのパラレルワールドを読んでいたくなる、そんな作品でした。

古典部シリーズ5作目。読み終わりました。

毎度ですが以下ネタバレ注意です。


今回から2年生へ進級した奉太郎たち。

古典部にも入部希望者が1人現れました。

しかしある日突然古典部に入るのを辞めると言い出します。

皆がこの新入生に悪いようにしていたとは思えない。ではなぜ・・・?

舞台はマラソン大会。

奉太郎はこの謎をマラソン大会が終わるまでに解き明かすことができるのか!?

ってな具合のお話です。



ネタバレしてしまうとまぁ勘違いとか思い違いとかそんな感じ。

マラソンが終わるまでという設定で、ページが進むごとにあと何キロって書いてあるのは面白かったけど、設定生かしきれてないかなぁという気もしたけどこんなものなのかな。
あと何キロとか書かれてても奉太郎は歩くは止まるは別ルート行くはであまり緊張感みたいな演出とかにはなってはいなかったです。

面白かったところは、まずやっぱり、古典部のみんなが奉太郎の誕生日を祝いに奉太郎の家に集まったシーン。
実はえるは奉太郎の家に、これ以前に一度お邪魔しているのですが、えるも奉太郎も二人そろってこのことを他のみんなに隠して秘密にしようとします。
ふたりだけのひみつ。ふふふ。
何かいい感じになってない?この二人の心の距離の概算はいかほどなのでしょうか。

そして次に、里志と摩耶花が付き合いだしたとわかるシーン!ついに!
手作りチョコレート事件では悩んでいる心中を告白した里志。
でしたが!ついに摩耶花と付き合うことに踏み切りました!頑張った里志!
摩耶花は嬉しかっただろうなぁ。
付き合って3日間は摩耶花が里志に色々と散々に言い散らかして、里志は謝りっぱなしだったみたいだけど、摩耶花一人のときには嬉しくてニヤニヤしてたり喜んだんだろうなぁという妄想が止まりません!うふふふふ。
初々しくていいないいなー!

そして最後。

「僕たちは所詮、高校生だ。学校の外には手を伸ばせない。ホータロー、最初から、どうしようもなかったんだよ」
そうなのだろうか。
実感としては、里志の言うことは間違ってはいない。中学生の頃は鏑矢中学が俺の見える全てだった。高校生のいまは神山高校の外には関われない。
だが、本当にそうなのだろうか。何事もなく順調に学校生活を送るなら、俺たちは二年後には神山高校を後にする。進学したとして、これも順調なら六年後には学校という場所から出ることになる。もしそれまで学校の外には手が伸びないと思い続けていたら、いきなり荒野に放り出されて途方に暮れてしまうだろう。
たぶん違うのだ。千反田がさまざまな社交をこなすように、姉貴が世界中を旅するように、手はどこまでも伸びるはず。 問題はそうしようと思う意志があるかどうか。
省エネルギーを主義として掲げる俺には、もちろんそんな意志はなかった。けれどいま、胸の底に澱のような気持ちが淀んでいる。
(p.282)


手はどこまでも伸びるはず。
サブタイトルにもなっていますが、今作で強烈な印象を与えたのはこの文章でした。
奉太郎もどこか感じるものがあったようで、省エネ主義もちょっとずつ変わっていくのかな。
次回作以降に期待ですね。



さて、およそ2週間で既刊分の古典部シリーズを読みきりました。

個人的には結構ハイペースだったと思います。

もしも個別に読まれる方がいるのならお勧めは「クドリャフカの順番」と「遠まわりする雛」かな。

あくまで個人的なお勧めになりますが。青春ストーリーが好きなので青春密度が高いのがこの2作かなと思いました。

読むのが面倒くさいという方にはアニメをお勧めします。
アニメと見比べてみるとアニメのほうが細やかに表現されている部分もあります。
ミステリなのでどちらかを先に見て、もう一方でわかりにくかった部分を補完して見るというのもいいかもしれません。
まぁ自分が楽しめると思う方法で見るのが一番ですね。

では私個人の感想はこれくらいで。




米澤穂信さんの「遠まわりする雛」、読み終わりました。

古典部シリーズの続きで、今回は7つの短編集となっていました。

1学期2つ、夏休み、2学期、冬休み、3学期、春休みという構成で奉太郎たちの一年を追った形になっています。(前にアニメオリジナルだと書いてしまった女郎蜘蛛や音楽室の件はこの巻に収録されていたのですね)

その7つのサブタイトルは

1.やるべきことなら手短に
2.大罪を犯す
3.正体見たり
4.心あたりのある者は
5.あきましておめでとう
6.手作りチョコレート事件
7.遠まわりする雛

となっています。
アニメでは今の時点で3つ目まで放送されていますね。

アニメでは全部やってくれるのでしょうか。やってほしいなぁ。特に5-7は面白いしかわいくてちょっと切ない、いい感じの青春ストーリーになっていると思うので是非とも映像で見たいところです。

そのうちの5から。
タイトルから想像のつく通り、お正月のお話です。
お正月ということで初詣です!えるちゃんの着物姿です!是非アニメで拝みたい!

今度は、はにかみのような気配。千反田は、少し声を小さくした。
「・・・・・・わたしも、ちょっと、着物を見せびらかしたいんです」
(p.192)

からの、

戸惑っているのを見越したのか、両腕をちょこんと持ち上げた。袖を軽く振って、
「見せびらかしに来ました」
(p.195)


かわいいいい。もうこれだけでかわいい。ちょうかわいい。すっごいかわいい。

6では里志の摩耶花への想いが語られています。
摩耶花からの告白をはぐらかし続けている理由。
ネタバレはしないことにしましょう。
でも難しい葛藤ですね。これも青春ならではなのです。という感じで。
里志が奉太郎に告白し終わったあとに缶コーヒーおごるのもいい味を出してますね。

7でもまたえるちゃんの着物姿が見られます!
今度は十二単!でも想像するだけでお似合いって感じしますよね!


俺はこう言おうとしたのだ。「ところでお前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう?」。
しかし、どうしたことか。言おうと思っているのに、その実、ぜんぜん言える気がしないのだ。
(p.407)


言ってよおおおおおおおお!ちょっと回りくどい言い方が奉太郎らしいけど、告白ううううう。

本書は作者もあとがきで言っている通り、一年を通して描くことにより、4人の距離が少しずつ縮まっていくのを感じさせる内容となっていると思います。
その距離の変化は緩やかではありますが、非常に心地のよいものになっていると思います。
引き続き読み終わりましたよ~。

アニメでもちょうど終わったところですね。

以下感想その他書きますのでネタバレ注意です。

前の2作では全て奉太郎の視点から語られた物語だったのに対し、本作は古典部4人の視点から描かれています。今まで描かれていなかった古典部員の心の中や考えが描かれ、とても新鮮で非常に面白かったです!

♥→える
♠→奉太郎
♣→里志
♦→摩耶花

ですね。
舞台は文化祭!作りすぎた文集「氷菓」と「十文字」事件の2本を柱とし、文化祭らしく色々なイベント等が描かれています。

えるちゃんの頭の中は基本的にやっぱり好奇心で溢れかえっているようですねw
部活の出し物などに「気になります!」「気になります!」と気をとられまくってますw
それでも「いけませんいけません」と何とか誘惑を振り切り、文集を売るために奔走する姿はとてもかわいいです。
また夜にはお祈りをしたり、おばあちゃんの言葉を思い出したり、少女らしい一面ものぞかせていました。

奉太郎はいつもどおりかな。省エネに勤め、店番をしながら時間を潰す。
しかし結局またもお姉さんに踊らされていたようですねw

里志は色々なイベントへ顔を出し古典部をPRします。
そして摩耶花への想いもちょこちょこ垣間見えます。ニヤニヤしてしまいますね。
また「十文字」事件を解明しようと奮闘します。
しかし結局十文字を捕らえることはできず・・・奉太郎へ「期待」することとなります。
この『期待』というのは今作のキーワードとなっていると思います。

摩耶花は漫研で奮闘します。
ギスギスした先輩との関係。
自分の思いを堂々といえる摩耶花は強いなぁ。
そして自分にも他人にも厳しい摩耶花が「大好き」とまでいう漫画『夕べには骸に』。
これが今回のキーアイテムですね。

個人的には"ワイルドファイア"のお話が一番好きかな。
奉太郎が柄にも合わず聡の名前を叫び小麦粉を渡し摩耶花がかき揚げにするというファインプレー!熱い!えるちゃんも超お料理上手!里志へ身振り手振りでアドバイスしようとするところはとってもかわいいです!

そして今回のキーワードといった『期待』について。
まずは里志の『期待』。

考えがまとまる。
僕の結論はこうだ。「この事件は僕の手には負えない。」
諦めが良すぎるのは、善かれ悪しかれ僕の特質なのだ。
となれば、もはや僕にできることは、たった一つしか残っていないようだ。僕はそれを穏やかに言葉にした。
「期待するよ、ホータロー」
(p.283-284)



「自分に自信があるときは、期待なんて言葉に出しちゃあいけない」
(中略)
「広辞苑にどう書いてあるは知らないけどね、摩耶花。期待っていうのは、諦めから出る言葉なんだよ」
(中略)
「期待っていうのはたとえば・・・」
やっぱり摩耶花は素晴らしい。黙って聞いていたかと思うと、どこか怒ったような、つまりいつも通りの声でこう言った。
「たとえば、ふくちゃんが折木にやってたようなことを言うの?」
ブラーヴォ。僕は拍手する。
「・・・・・・見事だね。どうしてわかった?誰にも言わなかったのに」
「見てればわかるよ、ふくちゃんのことぐらい」
(中略)
「考えてみれば、最初からわかってたんだ。ねえ、摩耶花。僕もうっかりしてたよ。こいつをもっとはっきり、片時も忘れないように胸に刻んでおけば、無駄な動きをせずに済んだのにね」
(中略)
「データベースは結論を出せないんだ」
摩耶花が、寂しそうに笑った。
(p.347-349)


最後の「データベースは結論を出せないんだ」って言ったところの物哀しさはすごいですね。それに寄り添う摩耶花はやっぱり聡のことをしっかり分かって想っている。いいシーンです。

2つ目にえるの『期待』について。


入須「私は、お前が自助しようとする人間だと知っている。私の目が曇ってなければだが。だが、お前がああやって『期待』を操ろうとすると、どうもいけない。お前の話し方、物腰であれをやろうとすると、どうにも甘えているように聞こえる。」
(中略)
える「ええ。私も思っていました。・・・・・・こういうことは、まるでわたし向きじゃありません。ええと、つまりですね。・・・・・・もう、こりごりです」
入須さんも、少しだけ、微笑んだようでした。
(p.351-354)


入須さんに人に頼みごとをするときには「期待」するようにするといいということを教わったえるですが、「期待」させることと甘えることがうまく切り離せずに、える自身疲れてしまったようです。
同時に入須さんの女帝たる所以も垣間見えますが、人にお願いすることって本当に難しいことですよね。

3つ目に摩耶花が関わった期待。正確には摩耶花の漫研の先輩である河内先輩が言えない期待。

摩耶花には大好きで大切な同人漫画が2つあります。「夕べには骸に」と「ボディートーク」。しかしどちらか選べと言われたら「夕べには骸に」を選ぶとも思っています。
文化祭初日、摩耶花は河内先輩とどのような作品が名作かということについて喧嘩をしてしまいます。そこで摩耶花は、「夕べには骸に」を読めば分かると先輩に啖呵をきります。
そして後日摩耶花は先輩のところへその「夕べには骸に」を持っていきました。

「あたし、それ読んでないんだ。途中までしか。途中でやめた。捨てはしなかったけどさ、さすがに。でも、もう読まないと思ったな。なんでか、わかる?」
(中略)
「読めばわかる。そう言ったね?そうだね、わかるよ。わかっちゃうんだ。でもほら、そういうの、認めたくないでしょ。
あんたなら、どうよ。あんまり漫画読まないねって思ってた友達がさ、初めての原作でさ、それを書いたとしたらさ・・・・・・。ねえ、洒落にならないと思うでしょ」
「・・・・・・」
あんたなら、どうよ。
(中略)
「折角手に入れたのに悪いけど、あたしそれ読まないから。あんたのじゃないんだったら、持ち主に返しな。だってさ、ほら。
読んじゃったら電話しちゃうじゃない。でも電話して、『読んだよ、あんたの。すごいじゃない!次のも期待してるね!』とか、言えないじゃない。ねえ?」
(中略)
手すりに残された落書きに気づいた。(中略)わたしは、それに見覚えがあることに気づいた。呟きが漏れた。
「これ・・・・・・。『ボディートーク』の」
そうか。
そういうことだったんだ。
わたしの宝物二冊。『夕べには骸に』と、『ボディートーク』。どちらもすごい。すごいけれど、この二冊から一冊だけ選べと言われたら、苦渋の決断だけどわたしは『夕べには骸に』を挙げるだろう。
そして、河内先輩も、そちらを選んでしまうことがわかったんだ。
わたしは・・・・・・。
(p.358-361)


漫画素人の友達が、自分よりすごい作品を描いてしまって、才能とかそういうものがわかってしまって、悔しいから期待してるなんて言えない・・・。一生懸命やってることがある人なら誰しも感じることがあるのではないでしょうか。摩耶花としても複雑な気持ちになってしまうのも頷けます。友達だから『期待』をかけてあげたいけど自分の気持ちが中々それを許さない・・・。これもまた難しいですね。

そして最後、怪盗「十文字」さんがした『期待』。



「勿体ないだろ。惜しいと思うだろ?
洒落にならんね、こっちが望んでも得られない実力を持ってて、競い合いする気にもならないほど差が開いているのに、ムネは全然描こうとしない。あいつが一言やるぞと言えば、ぼくはなんでもするつもりでいた。そう言われるのを、じっと待ってたんだ。下手糞のぼくからすれば、ムネは実際、希望の星というやつさ。だのに、見ててたまらんよ。あいつ、頭もいい。その気になれば安城さんの原作なしでも、いつか大傑作を描けるタマだってのに」
(中略)
「絶望的な差からは、期待が生まれる。だけどその期待にまるで応えてもらえないとしたら、行きつく先は失望だ。一年間、ぼくはムネがもう一度描くと信じていた。そしてぼくはまだ、ムネに期待したかった」
(p.381)


十文字が事件を起こした理由。口では言えなかったから。生まれた期待を全うしてくれるか確かめたかったから。十文字さんは本当はムネに事件を解いて欲しかったと思いますが、奉太郎に解かれても、何か爽やかさを感じました。気づいてくれる人が一人でもいてちょっと嬉しいという気持ちもあったのでしょうか。わかりません。ただこのような事件を起こしてしまうほど、その期待は大きかったのでしょう。

長い感想になってしまいました。それほど書きたいこと、感じたことが多い本でした。本当に面白い本でした。
アニメと比較すると所々に相違点がありましたが、概ね一緒。アニメのほうが細やかかもしれません。
本作「クドリャフカの順番」はここまで読んだ古典部シリーズ3冊のなかでは一番好きな作品となりました。
氷菓に引き続き読みましたので感想などを少々。

アニメだと8~11話にあたる部分のお話です。


「・・・・・・お前は、お前にしかできないことがあると思うか」
(p.189)


なんとも高校生らしい悩み。
入須先輩にそそのかされ(?)奉太郎は自分の能力について考えるようになります。
奉太郎の推理力は本物かどうか。

そして奉太郎は映画の結末についてある種の自信をもって一応の結論を出します。
が。
古典部の部員3人に様々な角度からその結論を否定されてしまいます。
少々落ち込みはするものの、しかしそこで奉太郎は入須の真意に気付きます。


「俺は探偵じゃなかった。推理作家だったんじゃないですか」
(p.234)


入須は奉太郎に映画の結末を推理して欲しいわけではありませんでした。
本郷を守るために、推理大会を開き、シナリオコンテストを行った、というのが入須の真意でした。
もっと言えば、入須自身、本郷の脚本の出来が気に入らなかったと。

チャット部分の名前は

まゆこ→本郷
名前を入れてください→入須
L→千反田
ほうたる→奉太郎
あ・た・し♪→奉太郎の姉(折木 供恵)

でいいのかな?
とすると本当の黒幕(?)はお姉ちゃんになるのかな?


本書全体としましては、青春ミステリというジャンルですが、奉太郎の葛藤などが楽しかったので青春小説としては◎だと思います。ミステリ部分は自分は詳しくないので何とも言いがたいですが青春部分ともうまく噛んでおり楽しめました。

氷菓

2012年8月11日 読書
米澤穂信さんの「氷菓」を読みました。

テレビアニメ「氷菓」の方も毎週楽しませてもらってます。
アニメでいうと1~5話にあたる部分ですね。

いつもどおりちょっと気付いたことや思ったことなど感想を。
主にアニメとの見比べになると思いますが。


福部里志。わが旧友にして好敵手、そして仇敵。
(p.9)


ここまで言う存在だっけ?ってちょっと疑問に。
大袈裟に書いただけかもしれませんが。


「緊張?告白でもするつもりか」
 口に出してから、それが千反田相手に通用するジョークかどうかは微妙なことに気がついた。あ、いや、とみっともなく取り繕おうとする。が、千反田は少しためらうような様子を見せたかと思うと、こくりと頷いたのだ。
 俺は慌てた。慌てたので、マスターに向かってこう告げた。
「・・・・・・コーヒーをもう一杯」
(p.75)


ここはアニメでも好きなシーンでした。
二人ともめっちゃかわいい!
そういえばここの喫茶店が「パイナップルサンド」という名前だってことはアニメでは明かされてませんね。
高校生の青春!本書風にいうなら薔薇色の一ページ!
私の大好物です。


「すまん、発表の前にちょっと手洗い借りていいか」
(p.168)


4人が千反田邸に集まって33年前の事について探っていく場面です。
アニメではえるちゃんがオニギリを作るシーンがあったんですが原作ではなかったんですね。えるちゃんの作ってくれたオニギリが食べたい!
この台詞のあと奉太郎くんがえるちゃんの自室を覗くシーンもアニメオリジナルのようです。
アニメではちょっと奉太郎くんのデリカシーに欠けるシーンのようにも見えましたがどうなんでしょう(笑)

全体を通しては、一応(?)ミステリの様相を呈しているので、アニメで結末を知ってしまっている身としてはちょっとドキドキに欠ける感じがしてしまいました。
上に書いたこと以外はほとんどアニメ通りだったと思います(アニメが原作通りというべきでしょうか)。悪く言えばどっちか見れば十分なのかな?
しかしながら"灰色"だった生活が、千反田えるという女の子と出会い、謎を解きながら、少しずつ色付いていく様子は非常に魅力的に感じる本書であったと思います。

追記.
女郎蜘蛛事件や音楽室の事件もアニメオリジナルのようですね

傷物語

2012年8月6日 読書
傷物語を読み返しました。
今更ながら感想とか気付いたこととかをちょっと書こうと思います。
今更なんでもういいとは思いますが一応以下ネタバレ注意です。



それでも僕は、やっぱりあの吸血鬼のことを、語らなければならないのだろう。
 彼女から受けた傷の物語を。
 僕が彼女を傷つけた物語を。
(p.12)


これはタイトルになっている「傷物語」がどういう意味なのかを端的に表した文ですね。
傷っていうのはやっぱり物理的な意味でも精神的な意味でもあると思います。
具体的には、牙の痕だったり、眷属にしてしまったことだったり、殺し合いをしたことだったり、吸血鬼の搾りかすにしてしまったことだったり、そうまでして生かしてしまったことだったり・・・。その他いろいろあると思います。傷つけあった物語。


友達を作ると人間強度が下がるから。
(p.13)


これは、ドラマCDで八九寺に大笑いされてたネタですね。
しかし物語的には羽川という友達を作ったことにより、阿良々木君は強くなりました。


何の前触れもなく――一陣の風が吹いたのだ。
(中略)
それほどに衝撃的だった。
優等生の下着というのは。
(p16-19)


およそ4ページに渡って風によってスカートがめくれ羽川翼さんの下着が晒されてしまったことについて描写されています。と同時に羽川翼さんと阿良々木暦君の出会いのシーンです。
ここはアニメ「化物語」の第1話アバンでのシーンですね。
アニメだけ見た人は、1話冒頭で何故いきなり女の子のパンツが見えるシーンから入ったのか意味がわからなかったと思いますが、二人が初めて出会ったシーンだったわけですね。


「儂も神にならんかと誘われたことがあったが、そのときは断ったからのう」
(p.71)


ジョークのようなこの台詞も「鬼物語」で実際に語られることになりました。
傷物語書いてるときから考えてあった設定なのかな?


「・・・・・・はっはー」
と。
そんなお気楽な笑い声が聞こえた。
(中略)
 ドラマツルギーの波打つ大剣を二本、右手の人差し指と中指、薬指と小指で、それぞれ白刃取りにし。
 エピソードの巨大な十字架を、右足の裏で何ということもなさそうに受け止めて。
 ギロチンカッターの俊敏な動きを、左手を突き出すことで、触れることなく制したのは――誰であろう。
 通りすがりのおっさんだった。
 一本足で立ったまま、彼は続けた。
「――何かいいことでもあったのかい?」
(p.85-86)


忍野メメの初登場シーン!かっこいい!
これもアニメ「化物語」のアバンで使われたシーンです。
そして忍野初のキメ台詞!
傷物語は忍野メメが一番かっこいいお話でもあると思います。何と言ってもラスボス(予定)でしたし。


「長命の吸血鬼のスパンで見れば、そうなんだろうけどねえ――僕ら人間としては困ったもんだよ。ねえ、阿良々木くん?」
「え」
うわ。
こいつ――事情を把握した上で。
当たり前のように――僕を人間扱いしやがった。
こちら側だと――そう言った。
(p.96)


この吸血鬼の状態の阿良々木くんを人間扱いした忍野メメ。
この言葉は「偽物語」の月火フェニックス、影縫さんとのバトルの決着にまで影響しました。

( 「言ったでしょ。お互い、人間と怪異のコンビだって――この状態の僕を人間と呼んだのは、今まで忍野一人だけなんです」
(偽物語p.316)
)


「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
(p.111)


きました羽川さんのキメ台詞。阿良々木くんとのただの雑談中が初登場となりましたー。



「いや、そりゃ私も本気で探していたわけじゃないよ。ないものねだりって奴なのかな。なんていうのかな、私もなんだか行き詰っててさ――生活に変化を望んだって感じ?」
(p.158)


羽川さんの台詞。
この羽川さんの言う「行き詰まり」が後にブラック羽川を生み出したりするようなことになるとは阿良々木くんも思っていなかったようです。ただ優等生でも行き詰るんだなー驚きだなーくらいにしか受け止めていません。まぁ仕方ないか。


暦「待っててくれ」
翼「・・・・・・」
暦「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」
(中略)
暦「またお前とおしゃべりできることを、僕は心から楽しみにしている」
翼「・・・・・・おおっと」
羽川は、そこでどうしてか、一歩後ろに下がった。
目がなんだか楽しそうだった。
翼「ピピピ、ピピピ、ピピピ」
暦「ん?何の音だ?」
翼「ときめいた音」
(p.209-210)


恋に落ちる音がした~♪めーると♪
もう完全に羽川さんヒロインですー!
大切な恩人とか言ってる場合じゃないよ、阿良々木くん!!
羽川さんと付き合ってー!!
まあ付き合うことにならなかったから、「化物語」つばさキャットや「猫物語(白)」へのストーリーへと繋がることになるんですが。こっちがもどかしくなってしまううう。ああああああ。


「・・・・・・チキン」
羽川がものすごく低い声で言った。
こちらを振り向きもしないまま。
僕の限りなく土下座に近い姿勢を見ようともせず。
「チキン。チキン。チキンチキンチキンチキン」
(p.306)


これは阿良々木くんが羽川さんの胸を揉もうとしたけど揉めなかったときの台詞。
これはチキンって言われてもしょうがないなぁ。まったくもってチキン。
ここまでやったのにヒロイン奪われちゃうの不憫すぎるよ羽川さん・・・。

そしてこの後キスショットとのラストバトルの結果、バッドエンドを迎えます。
何かこの書き方だと緊張感に欠けますが。

全体としては、他の物語シリーズよろしく冗談もあり、ストーリーもしっかり楽しめるとっても充実した一冊になっていると思います。
羽川、忍野との出会い。そしてキスショット、後の忍との傷付けあった結果紡がれた絆。
「青春は、いたみ なしでは過ごせない。」というキャッチコピーどおり、色々な青春の"痛み"が詰まっていると思います。

映画化されるとのことですが脳みそいじくったり、はらわた抉ったり、人間を食べたりと映像にするとグロテスクなシーン多目な本作です。大丈夫なのかな?
ともあれ、素晴らしい作品になることを祈りつつどうなるのか楽しみに待っていたいと思います。

映画「傷物語」公式ページ↓
http://www.kizumonogatari-movie.com/


ネバーランド

2012年8月2日 読書
恩田陸さんの「ネバーランド」を読みました。

とある男子校での、冬休み1週間、寮である松籟館で過ごす男子4人のお話です。
ドラマ化もされていたようですが、残念ながらそちらは見ていません。


ノリで始まった「告白」ゲーム。

そこから徐々に4人の、それぞれが抱える"事情"や"トラウマ"が見えきます。

それを軸に物語と個々、登場人物たちの人間関係に深みが増していきます。

重い話が多い「告白」とは裏腹に、その他の日常は普通の男子高校生らしさが伺える内容となっていると思います。
最初は互いに少々距離をおいていた4人ですが、共同生活を送り、たくさんのことを語らって、だんだんと友情を築いていく・・・。

例えば、飲み会をしたり(それが先生にバレないように隠したり)、雪が積もってはしゃいだり、4人でランニングやテニスをしたり、将来のことを語り合ったり・・・。

そのように描かれた1週間の彼らはまさに青春グラフィティ。
自分がこのような体験をしたわけではないのに、なぜか懐かしく感じます。
解説の吉田伸子さんの言葉をお借りすると、4人が松籟館で過ごした日々こそが「ネバーランド」なのだと思いました。

昔の青春時代を思い出したい人にも、今まさに高校生活を送っている方にも、もちろん女性の方でも、爽やかに楽しめる作品だと思いました。

ノルウェイの森

2012年4月28日 読書
ノルウェイの森、上下巻読み終わりました。

村上春樹さんの作品は初めてでした。

前半、意味があるのかないのか分からない性的な描写がかなり多く、他は大学生が普通に大学生活送っている日常が描かれうーん?という感じがありましたが、後半の心理描写にはかなり惹きつけられました。

主人公のワタナベ君を中心に、直子、レイコ、緑、その他ハツミなど多くの女性とキーパーソンの一人であるキズキ。それぞれの心理と状況が絡み合い、混乱しつつも成長へと向かうワタナベ君の描写は素晴らしかったと思います。

恋愛としては、性描写はありますが非常に純粋であると思います。会話が文学的でちょっと今の現実には合わないような部分もありますが、当時の人はこのような会話も普通だったのでしょうか。それでもワタナベ君の想いも、直子の想いも、非常に素直で誠実なものだということはよく伝わってきました。

性的な描写は多くありますが、艶かしさを感じるものではなくドライなものが多く、あまりどきどきするというものではありません。反対に少々艶かしさがでている描写のところは重要だということでしょうか。どちらにしろ苦手な人は苦手かもしれません。本書特有なのか、村上春樹さん特有の書き方なのか分かりませんが。

個人的にはレイコさんの自分語りの部分と直子が自殺する当たりの心理描写は今の自分と照らし合わせて色々と感じることがありました。人生ムツカシイ・・・。

そしてこのオチ。
結局ワタナベ君は迷宮から出れなかったEND?
色々と考えられる、考えたくなるオチでした。
どういう解釈をする人が多いのかな。

何か書きたいこといっぱい感じたはずなのにうまく文章にできないや。
それでもいっぱい感じることがあるってことが伝わればいいかな?
色んな評価があると思う小説だったけど自分はとても好きな小説になりました。

おいしいコーヒーのいれ方Ⅰ キスまでの距離
読みました。

村山由香さんの小説は今まで何冊か読んでますが、やわらかで淡い恋愛が描かれ、読みやすいです。

本書もある意味ベタな感じで。ベタキュン。糖度高めのあまあまキュンキュンがしたい方に。

とりあえず少しだけ内容に触れます。
親が転勤で引っ越すから従姉妹と同棲とかそれなんてえろげ。

新高校3年生と新米美術教師の5歳差の恋が少しずつ始まります。


喫茶店のマスターもまたかっこいい。

「伝授してやるとするか」
「決まってるだろうが。とびきりうまいコーヒーのいれ方を、だよ」


二人の気持ちを見透かし、高校3年生の主人公を妹の恋人になることを認めた上でのセリフ。いいNE!


そしてお互いがお互いにそれぞれ嫉妬を感じながら告白!

「・・・大好き、って言ったの」

キャーキャー


数行抜き出しただけでべったーな青春恋物語だってわかっちゃうくらいにはべただけど、たまにはいいじゃない。純粋になれますよ。人を好きになりたいって思いますよ。
まあ自分が基本的に青春小説的なものが好きなんです。

現在15巻くらい続くながーいシリーズみたいなんで純粋成分が補給したいときにちょっとずつ読もうかな。

恋物語

2011年12月31日 読書 コメント (2)
2011年最後の日記ですね。
物語シリーズセカンドシーズン最終巻、恋物語読み終わりました。

ここから先はネタバレを含みます。ご注意を。
また拙い文章になりますことをご了承を。






恋物語、サブタイトルはひたぎエンド―-ということで、阿良々木くんの戦場ヶ原さんに対するどんなかっこいい台詞があるのか!戦場ヶ原さんから阿良々木くんに対してどんな素敵な台詞が用意されているのか!とわくわくして読み始めました。読み始めたのですが。

貝木いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

読み始めてすぐ阿良々木くんのような反応をしてしまった・・・。
やられた。さすがに不意打ち。メメでさえ語り部をやらなかったのに・・・。ヶ原さんの語り部が見れると思ってたのに・・・。多分もうヶ原さんの語り部は見れないな・・・。残念。

まあ落ち着いてゆっくりと、順を追って文章を引用をしつつ感想を。


最後の物語を始めよう――なんて、もちろんこれも嘘かもしれないぜ。
(p.13)


いきなり嘘だああああ
これは前情報というか、ネットの情報により、先にファイナルシーズンがあることを知っていたから。本巻の巻末にファイナルシーズンが告知されていますね。それを知らずに読んだ人からしたら割と長い伏線ですね。


「神原駿河のためなら、にっくき戦場ヶ原と阿良々木を助け、千石撫子を騙すことが、俺にはできるだろうか?」
俺の問いに、俺は答えた。
「YESだ」
(p.69)


これはまたよく分からない。花物語で何かあったっけ?貝木が神原の母親に憧れていたとは言っていたと思うけど。仮に元恋愛対象だったとしても貝木のキャラクターと合わないと思うんだけど。結局恋物語全部読んでも神原は特に関わってこなかったし。臥煙の忘れ形見?んー、まだ何かありそうですね。


「片思いをずっと続けられたら――それは両思いより幸せだと思わない?貝木さん」
(p.115)


これはカバーにも使われている台詞。この後に貝木の台詞も気になりますね。やっぱり臥煙さん絡みでもう一エピソードありそう。ところでこの台詞、私自身もちょっと思うところがあって。自分は片思い、というか好きでいられることが幸せだと思います。好きになってもらうより、好きでいられるほうが。両思いより幸せかどうかわ分かりませんけどね。


またキャラが変わっている。
どうやら悪い友達と付き合っているようだ。
(p.143)
「僕はあなたに来たんだよ。」
・・・
意味深だと思ったら、単に噛んだだけらしい・・・、どうだろう、これも悪い人間と付き合った結果だろうか。
(p.144-145)


斧乃木ちゃんに対する言葉ですが、普通に読み取れば、この後阿良々木くん(鬼いちゃん)との付き合いも描写されているので、悪い友達=阿良々木くんなんでしょうが、某所でこれは八九寺復活フラグじゃないだろうか、という予想が。前巻で消えてしまったハズの真宵ちゃんですが・・・。実際に鬼物語で真宵ちゃんと斧乃木ちゃんは付き合いがあったからそれで、といわれたらおしまいですけど。個人的には当たると嬉しい予想ですね。斧乃木ちゃんは付喪神の式神ですし。鬼物語で、真宵ちゃん、リュック落としてましたね。


許しを乞うべきなのに、どうしてそうしないのだろう――それはたぶん、俺が千石撫子を、許すことができないからだ。
勘弁ならないからだ。
こんな奴に――助けられたくないからだ。
こいつにだけは。
助けられたくないからだ。
(p.243)


この文章の意味、自分にはまだ理解できていません。貝木はこの後、ガハラさんの話をします。その話しぶりからすると、確かにガハラさんの家族をぶち壊したのも貝木ではあるが、ガハラさん自身のことも考えてあげたことも事実のようで、ガハラさんの母が嵌った悪徳宗教を潰したのも貝木のようで、貝木自身、儲けるために詐欺はするけど、人助けもやぶさかではない感じなの?本編で自身を、自分は忍野と似ているというようなことも言ってたような気もするし?助ける助けないってことには一家言あるってこと?全然違う気がします。読み込みか国語力が足りませんね。

そしてラスト。貝木が誰かに殴られ、意識を失ったところで終わります。
こういう、次巻以降へつなげるような終わり方、このシリーズでは珍しいですね。
貝木は花物語でもしっかり登場しているので、ここで死亡ということはないはずですけど。
扇ちゃんが、黒幕っぽく描写されていますね。
ファイナルシーズン、楽しみに待ちましょう。


まとめ。

何か貝木ってこの本を読むまでもっと寡黙な詐欺師ってイメージだったんですが。色んなくだらないこと考えすぎだったり、すぐムキになったり、意外とかっこつけたりかっこよかったり。っていうか、貝木さん、割と阿良々木くんに似てるよね、これ読むと。正義の味方な詐欺師。最後の貝木vs撫子シーンとか、台詞全部阿良々木くんだと思って読んでも平気。貝木の語り部だと、西尾節全開、詐欺のような言葉遊び、というか言葉騙し全開でお話進むのかなあとか最初思ってたら、このシーンなんて阿良々木くん並にストレートでしたねw
まあ結構なイメージを覆されてしまいました。

セカンドシーズンは、このような、キャラクターのイメージを覆すシーズンだったと思います。
ファーストシーズンで、阿良々木くん視点から見て、まるで超人のように描かれた人物たちが、セカンドシーズンでは、各々が語り部となることで、その超人のような人たちが、どれだけ普通の人なのかを描いた物語だったと思います。

結局覆されなかったのは、阿良々木くんと戦場ヶ原さんですね。恋物語でサブタイトルひたぎエンド、ということだったので、個人的にはもうちょっと、お二方のいちゃらぶシーンが見たかったかな。っていうかひたぎエンド、してないですよねw
自分がこの本から学ぶべき教訓は、「このシリーズのタイトル・サブタイトルに意味はない」だ、とか。

ファイナルシーズンは、サブタイトル通りのお話ならば、斧乃木ちゃんと扇ちゃんと阿良々木くんのお話の予定ですね。個人的にはセカンドシーズン終わってもまだ超人キャラが覆されていない、メメさんに語り部をやってほしいなあ。メメさんが語り部してくれるとするならばおうぎダークかなぁ。楽しみにしておこう。

少々長くなりすぎました。
まあそのくらい楽しめたということで。
ありがとうございました!

鬼物語

2011年10月17日 読書
物語シリーズ最新刊、鬼物語、昨日今日の2日で読み終わりました。

はちくじいいいいいいいいいいいいいい・゚・(●´Д`●)・゚・

油断してたなぁ。。。はぁ。。。


以下ネタバレを含む駄文です。ご注意ください。





まよいのありゃりゃぎさんへの態度の変化を追うと


真宵「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです。」
(化物語上p.135)
真宵「見かけたら、話しかけてくださいね」
(化物語p.242)

暦「お前、いなくなったりしないよな」
真宵「いひひ」
八九寺は。
なんだか愉快そうに、笑った。
子供らしい笑顔だった。

・・・

真宵「こちらからも質問ですが、阿良々木さん。もしもまた、わたしがどうしようもなく困っていたら、そのときは助けていただいても構いませんか?」
・・・
暦「つーか、僕に相談しなかったら怒るからな」
真宵「阿良々木さんらしいお言葉です」
八九寺は、はぐらかすようにそう受ける。
その笑顔は。
どこか、儚げにも見えた。
・・・
真宵「嬉しいことを言ってくれますねえ。まあ、いつか、わたしがいなくなるとしても」
   「そのときはきちんと阿良々木さんにはご挨拶させていただきますよ」
(偽物語p.64-66)

真宵「幽霊になったことは不幸せです。でも、阿良々木さんに会えたことは幸せですね」
(傾物語p.338)

真宵「大好きでしたよ、阿良々木さん」
(鬼物語p.266)


最初のまよいマイマイでの登場以降かなり好かれてますよね。
実はシリーズ中、彼女の戦場ヶ原さんを差し置いて、一番お互いに好きとかそういうことを言ってる2人な気がします。(友達としてですが)信頼関係が良く見える2人ですね。
最初のまよいマイマイでの「嫌いです」→「話しかけてくださいね」という変化にもグッときましたが、そういえば今回も「嫌い、死ね」みたいな感じから入って→「大好きでしたよ」という展開で似ているんでしょうか・・・?どちらも真宵ちゃんの笑顔が印象に残り涙を誘われました。

アニメの真宵版OP「帰り道」の歌詞も今見るとより切なく感じられますね。この頃に真宵の結末まで考えられていないとは思いますが・・・。


探しものなら
とっくに見つけたけど
どうか今は
このままでいて
眠くなる時間まで
あと少し


どうもストレートな表現に弱いです・・・。猫白でも同じようなとこでやられた・・・。
偽物語の会話は伏線だったのかな?でも完全消滅的な伏線だったとはなぁ・・・。
なんにせよ、真宵ちゃんらしく、楽しくてかわいくて、素敵なお話でした。鬼の成分は・・・回想シーンだけですかね。あまり気にしないようにしましょう。恋物語が楽しみです。
ヘタクソな感想ですみませんでした。

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